GPUに対策されてしまったアルゴリズム
先月下旬にYescyptというアルゴリムズが、NVIDIA製のグラフィックボード(GPU)で効率よくマイニングできるようになりました。
これにより、CPUマイニングをうたってのいた仮想通貨のマイナーたちが、アルゴリズム変更によるGPUマイニングの排除を議論しているようです。
まさにMONEROのASIC対策で世界中が議論していた状況と酷似しています。
結果的にモネロは分裂するという結論になってしまったわけですが、CPUマイニング向けの通貨はどのような結論を出すのでしょうか。
具体的には、BitZeny・KOTO・YenTen・WAVIが同じアルゴリズムを採用しています。
当初はYenTen・WAVIが採用していたYescryptのR16・R32は未対応でしたが、あっという間に対応されて、さらにはマイニング効率が改善されています。
私個人の見解としては、「現状の許容」が良いと思っています。
というのも、GPU対策程度で変更していたらキリがなくなる可能性が高いです。
当初、KOTOのdiscorseでは「CryptoNightかR32に進むのか」というコメントもありましたが、前者はASICが続々参入中で、R32はGPUでマイニングできるようになりました。
まさに議論がされている最中に状況が変わっているわけです。
その開発リソースは、もっと本質的な通貨の価値向上に向けるべきでしょう。
GPU・ASICでもマイニングできるようにしようと動く人がいるということは、それだけ通貨の価値が高まっているという証拠でもあります。
私はGPUマイニングの方法を積極的に広めているのですが、そこでも「CPUマイニングしかできない」ではなくて、「CPUでもマイニングできる」というのが元々の立ち位置だと思っていると書いています。
CPUマイナーの選択肢が狭まる(CPUマイナー専門の通貨はなくなる?)のは分かりますが、CPUマイニングで採算がとれるのであれば、確実にGPU・ASICが乗り出してきます。
ただし、ASICは一部の巨大資本がハッシュレートを独占してしまう可能性があるため、そこは対策するべきだと個人的には考えています。
これは特別な機器による独占を防ぐというEquihashの思想に共感しています。
CPUマイナーが自分達の利益を守るためにアルゴリズムの変更を主張し続けるのか、通貨自体の価値向上を優先するのか、コミュニティが導き出す結論に注目です。